『ヨガスートラ』って何?

「ブログでよく取り上げられる『ヨガスートラ』って何ですか?」

今日は『ヨガスートラ』について、簡単にご説明したいと思います。

『ヨガスートラ』とは、ヨガでもっとも大切とされる、経典のひとつです。文法家であり、医学にも精通していたパタンジャリが編纂したとされています。編纂された時期は、紀元前2世紀から5世紀頃までと諸説あり、はっきりしないようです。『ヨガスートラ』では、ヨガとは何かが定義され、サマーディにいたるまでの具体的な方法が提示されています。ヤマ、ニヤマを含む、有名な八支則の教えもこの経典から来ています。

私が最初、『ヨガスートラ』というものを耳にしたのは、ロサンゼルス時代、ヨガのクラスのなかで、先生が「Sthira Sukham Asanam」(安定して快適な状態がアーサナである)という言葉を取り上げられたときでした。それは『ヨガスートラ』というヨガの経典に書かれている言葉だということを教わりました。当時、私はヨガは体を動かす運動だけではない、心と関係している、ということに薄々気づきつつありましたが、頭では、「ヨガは哲学だ」「ヨガは科学だ」と言われても自分がやっているヨガとは関係がないように思えて、ピンと来ませんでした。だから、ヨガの経典である『ヨガスートラ』には、アーサナ(ポーズ)について書かれているフレーズが3つしかない、と聞いたときに、どういうことなのだろう、と不思議に思いました。そして、初めて手に取ったのが、Sri Swami Satchidananda 師による翻訳と解釈のThe Yoga Sutra of Patanjali でした。(邦訳では、「インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガ・スートラ」)。ヨガの教えがぎゅっと詰まっていて驚きました。ヨガを始める前よりも自分のことがなんとなく好きになってきて、なんとなく体や心が安定してきたのは、なぜだろう、と不思議に思っていた疑問への答えが少し分かった気がしました。そして、ヨガはアーサナだけではない、ということを理解するとともに、ヨガをアーサナから始めるアプローチの合理的なことに驚いたのを覚えています。

ちなみに、ヨガスートラのスートラは糸という意味です。もともと紙が貴重だった時代、無駄な単語をはぶき必要最低限のエッセンスだけを書いて、糸を使ってつなげたことが、名の由来だと聞きます。実際、『ヨガスートラ』は200弱の短い文章から成り立っています。そのため、面白いことにいろいろな解釈ができるのです。手元にあるだけで、これだけの解説書やスートラ関係の本が出ています。

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私はナオ先生の「ヨガスートラ」のクラスを受けてから、「ヨガは科学だ」と言われる意味がよくわかるようになりました。これは本を読むだけでは、おそらくなかなか気がつけなかったことのように思います。ヨガスートラは実践的な本なんだ、過去の行者が経験したことを非常に分かりやすく解説してくれている手引書のように今では、思えます。

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